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次世代パワー半導体材料をデバイス化し、県内で1,000億円規模の事業創出を目指す!

活用した補助金・支援制度等

信州酸化ガリウムデバイス化研究会

企業の現状及び支援の経緯

信州大学が中心となった研究チームが2019年に開発した、酸化ガリウムの単結晶を低コストで生産する技術及びこれを用いたデバイス化技術をコアとした産学官連携プロジェクトが令和3年度にスタートしました。

県内の企業や研究者へ呼びかけ、「信州酸化ガリウムデバイス化研究会」を組成し、次世代の「パワー半導体」の生産に向けた研究に乗り出しました。

パワー半導体はシリコン製が主流ですが、エネルギー効率が良い素材を使えば、使用電力の低減となりカーボンニュートラルに寄与が期待されます。シリコンに代わる素材として炭化ケイ素や窒化ガリウムの実用化が進んでおりますが、酸化ガリウムはより耐高電圧で、電力損失を大幅に低減できる特性があります。

脱炭素社会の実現に欠かせない部品として次世代パワー半導体の需要が高まっており、信州発の高性能の新素材を活かし、技術を結集して急成長する市場に挑みます。

【酸化ガリウム単結晶】

実施した支援内容

当機構は「信州酸化ガリウムデバイス化研究会」の事務局として会員企業による取組を支援しています。

酸化ガリウム結晶を切ったり、磨いたりしてウエハ化するための技術開発を進めています。これらを通じて各社の技術が高まり、県内のパワー半導体産業の育成や活性化につながることが期待できます。

当地域にしかない当該技術を活かした、結晶育成から半導体デバイスの量産化技術の確立を通じて、本県におけるパワー半導体産業の育成と活性化を目指します。

酸化ガリウムの結晶を作る技術が「県内にあることが強み」であり「そこに産学官が協力」すれば構想実現も見えてくると考えます。

材料のウエハ製造、販売の事業化を2024~2025年頃の実現を目指し、その先に半導体デバイスの製造、販売の事業化も見据えて、実際に手を動かす研究開発を実施します。

支援の結果及び今後の展開等

次世代パワー半導体の開発は、二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」実現への動きが加速する中で重要性が高まっています。

民間調査会社(※)によると、パワー半導体の2022年の世界市場規模は前年比11.8%増の2兆3千億円で、30年には5兆3千億円を超えると予想されています。(※:㈱富士経済 2022年調査)

信州酸化ガリウムデバイス化研究会は、半導体デバイスの製造に着手する場合、高付加価値の製品を多品種・少量生産することで差別化を図り、大規模な工場やクリーンルーム等の数千億円規模の投資による生産設備ではなく、ミニマルファブシステムを利用した生産設備を整え、県内に売上高1,000億円規模の事業創出を目指します。

担当部署

公益財団法人 長野県産業振興機構 グリーンイノベーション推進部(グリーンイノベーションセンター)
〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL] 026-217-1634 [FAX] 026-226-8838
[Email] green-innv[at]nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

◆参加者の声

・世に出回っていない新素材の加工を試すことができ、新たな知見の蓄えにつながっているし、事業化出来た際には大きな力になると感じています。

・加工が非常に難しい材料ではあるものの、現時点で触ることができるだけでも、大きな強みだと思います。

・次世代パワー半導体への期待は年々増加しており、将来の事業化に向けて夢を持つことができます。

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