公益財団法人長野県産業振興機構

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自社の課題を解決するIoT導入を目指して

活用した補助金・支援制度等

IoT導入研修

企業の現状及び支援の経緯

当機構で実施している「IoT導入研修」は、ものづくり企業の生産性向上に向けたIoTの導入手法を、実際のものづくりの現場で学ぶ研修です。地域の製造業1社に「モデル企業」となっていただき、研修受講者はモデル企業の現場見学などを通して、課題抽出から改善提案に至る一連のプロセスを学びます。モデル企業も、外部からの視点で改善提案やIoT活用提案等のフィードバックを得ることができます。
今回、モデル企業としてお願いした岡谷市の㈱牛越製作所は、長年使用している生産管理システムについて必要に応じて改修を重ねており、また、日々の改善活動等を通じて、必要な業務改革を行ってきた経緯があります。しかしながら、同社の牛越社長は「このやり方で本当にいいのか。もっといいやり方があるのではないか」と考えることもあり、IoT等の技術についても「ただ導入するのではなく、自社に合った形で活用したい」という思いもありました。そこで、本研修をご紹介し、令和4年度のモデル企業としてご参加いただくこととなりました。

実施した支援内容

【改善提案を検討している様子】

研修受講者は、座学でIoT導入プロセスや事例研究を行った後、モデル企業のものづくり現場等で業務の流れをヒアリングし、課題を解決するIoT導入の計画書を作成します。最終日にはモデル企業の経営層に計画書の提案(プレゼンテーション)を行いました。

令和4年度は、以下の合計9日間の日程で実施しました。

  • 1日目:IoT 導入プロセスの概論
  • 2日目:IoT 導入事例の研究
  • 3日目:IoT ツール研修
  • 4日目:現場見学(モデル企業訪問)
  • 5日目:現場見学のまとめ
  • 6日目:提案内容の検討(1)
  • 7日目:提案内容の検討(2)
  • 8日目:提案内容の検討(3)
  • 9日目:提案報告会(プレゼンテーション・講評等)

受講者グループのメンバー構成は、製造業、ITベンダー、支援機関等(金融機関・ITコンサルタント)となっており、様々な立場の方が、それぞれの視点でディスカッションと検討を行い、グループごとにIoT導入計画書を作り上げました。(令和4年度は受講者は4グループで、計4本のIoT導入計画書を提案)

支援の結果及び今後の展開等

【提案報告会の模様】

最終日の提案報告会で、同社経営層にプレゼンテーションされた4本のIoT導入計画書は、同社の課題解決を目的とした、外部の視点で作成されたものです。

計画書は、必ずしもそのまま採用できるというものではないものの、業務改善や、IoT活用のヒントとなり得るものです。今後、実際の計画策定の段階等においてご活用いただければと思います。
今後も、実践的なIoT導入手法を習得するための研修を開催していく予定です。

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 ITバレー推進部

〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[Tel] 026-217-1635 [Fax]026-226-8838
[Email] it-valley [at] nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

◆参加者の声
・実際に工場見学を行った後の提案検証は非常に勉強になりました。
・IoT導入にあたって目的・目標を明確化させることの重要性を再認識できました。
・提案内容の検討はハードルが高かったが、顕在化していない課題を見抜く観点は普遍的なものなので、日常業務にも生かしたい。

<モデル企業>
自社の課題を外部から指摘してもらう貴重な機会でした。真剣に考えていただいたと思います。提案内容は、今後の生産のあり方などを検討する際に取り入れたいと思っています。

(株)牛越製作所 代表取締役 牛越 弘彰

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