公益財団法人長野県産業振興機構

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腹を割った親族会議と専門家派遣で「事業承継の地固まる」

事業者名

有限会社北アルプス牧場

事業内容

酪農、乳製品製造・販売

事業者データ

  • 代表者/一柳 進
  • 所在地/安曇野市穂高有明8207-4
  • 従業員数/11名
  • 連絡先/0263-83-7571

活用した補助金・支援制度等

事業承継専門家派遣

企業の現状及び支援の経緯

㈲北アルプス牧場は昭和23年頃、現代表者の祖父の代に酪農を主体として創業、平成9年に法人成りした事業所です。同社直営売店のソフトクリームには定評があり県内外から訪れる観光客で賑わっています。また、同社こだわりのチーズ・ヨーグルトの拡充を図るため工房を増設、更なる躍進が期待されています。
同社は酪農から乳製品製造・販売まで一貫した6次化経営に取り組む独自路線を歩み、乳製品の多種化を図っていました。そのような中、代表者は事業承継を意識し始めたもののどのように進めるか思案していました。
支援機関担当者より「事業承継セミナー&相談会」の案内を受け当セミナーに出席したことをきっかけに、同担当者と中信エリアコーディネーターが同社を訪問し相談対応を実施しました。
同社の課題は多岐にわたることから専門家派遣事業の活用が必要と判断、専門家派遣実施を予定していましたが、当初、後継者予定としていた三男本人の承継意思および親族間での協議が不十分であったため専門家派遣を中止、親族間での十分な協議をお願いしました。一年後代表者より長男が承継することで確定したとの連絡があり、この結果を受け正式に専門家派遣事業を実施することとなりました。

実施した支援内容

【㈲北アルプス牧場畜舎】

専門家派遣実施の初回は代表者の後継者へ託すべき意向や財務上の役員借入金、事業用財産と個人資産の分離などの課題の掘り起こし、2回目は後継者の意思確認、後継者としての意向・経営方針などを聴取、以降は代表者・後継者の意向を織り交ぜながら諸課題の解決に向けた事業承継計画への落とし込みを実施しました。また、その場で解決できる課題については即着手することで同社の磨き上げを加速することができました。
後継者が承継するにあたりネックと感じていた経営者保証の課題については同社の現状を認識し今後の改善項目を見える化することが重要であることから、経営者保証コーディネーターより経営者保証解除に向けた助言を行いました。

支援の結果及び今後の展開等

【売店内】

専門家の支援を仰ぐことにより同社の課題を絞り込み、最終的に①代表者名義の事業用不動産の移転策、②代表者変更および自社株式移転時期の明確化、③後継者を主体とした事業方針の見える化、④経営者保証解除に向けての検討などを事業承継計画に盛り込み、計画書の策定に至りました。
後継者からは「当社の今あるものをさらに磨き上げを図り、当社ならではの強みを活かしていきたい」との事業承継に向けた明確な意思確認がなされました。
現在、事業承継計画書をもとに後継者の事業承継に向けて着実に踏み出しています。

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 長野県事業承継・引継ぎ支援センター

〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL] 026-219-3825 [FAX] 026-219-3826
[Email] hikitsugi [at] nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

土地利用型農業経営であり、家族経営から雇用する法人経営に変化してきた中で、私も70歳を過ぎ、経営の持続化を図らなければならない、後継者を決めて行かなければならないという現実を迎えていました。家の中だけでは中々進まない事柄が多くある中で、長野県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受けて一つ一つ解決への手立てを示していただき大変ありがたく思っております。これからの経営の中において、専門家が入ることによって事の解決がスムーズに運んでいくことを知った次第です。道筋を立てていただきありがとうございました。

取締役社長 一柳 進

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