支援活用事例
事業承継税制利用による三代にわたる親族内承継
事業者名
株式会社共栄製作所
事業内容
金属加工業
事業者データ
- 代表者/友野 広昭
- 所在地/佐久市中込3671
- 従業員数/65名
- 連絡先/0267-63-0003
活用した補助金・支援制度等
事業承継専門家派遣
企業の現状及び支援の経緯
昭和40年に先々代の社長である神部武氏が自動車部品・農業用機械部品等の製造を目的に設立され、社名は会社、従業員、地域が共に栄えるの意味を込めて名付けたものです。昭和53年に現在の佐久市中込工場団地に工場を新設移転。現在は3代目の友野広昭社長のもと、金型設計・製作・プレス加工・溶接板金加工・組立まで一貫生産でお客様の要望に応える地元の優良企業です。
永年の堅実経営により同社には多額の純資産が蓄積され、それ自体は法人にとって大変好ましいことでした。しかしながら事業承継を行うにあたって自社株式評価が非常に高額となってしまい、悩みの種でありました。株式の66%を所有する会長が90歳であり現状健康状態に問題はないものの株式の譲渡等に係る税金負担が喫緊の課題となっていました。
この様な状況下、同社の顧問税理士から当センターに対して「事業承継税制の利用に関して経験が浅いことから、協働して本税制を絡めた事業承継計画策定の支援をお願いしたい」との相談が寄せられました。
東信エリアコーディネーターが相談に応じ、事業承継税制に精通した税理士を専門家として派遣し、事業承継計画の策定支援を行いました。
実施した支援内容
事業承継税制に精通した税理士を計5回派遣し、まず事業承継税制の一般措置と特例措置の適用による違いをシミュレーションしました。税制の利用条件を一つずつ検討し、要件の一つである後継者の役員就任期間3年をクリアすること、併せて、 多くの株式を保有する会長の年齢を考慮した複数のシナリオを検討し、同社の顧問税理士と協働して2025年以降に後継者(社長長男、会長の孫)へ自社株式を贈与することを盛り込んだ事業承継計画を策定しました。
また、会長・社長・後継者、それぞれに会社の現状や自身の考え思いを文書化してもらい、SWOT分析をすることで同社の課題の整理や将来の姿を共有化、今後の会社のあるべき姿を改めてイメージさせることにより、若い後継者の育成の一助としました。
支援の結果及び今後の展開等
臨時株主総会で後継者を役員とし、事業承継税制利用に向けての一歩を踏み出しました。今後、顧問税理士の指導の下、県に対して事業承継計画を提出するなど、今回策定した事業承継計画に沿い実行していくこととなりました。
今回のケースは自社株式の譲渡がメインの事業承継計画策定支援であり、会長・社長・後継者の3代にわたる資本政策に関する対応となりましたが、会長の意向を十分に酌んだ事業承継計画を策定することができました。
担当部署
公益財団法人長野県産業振興機構 長野県事業承継・引継ぎ支援センター
〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL] 026-219-3825 [FAX] 026-219-3826
[Email] hikitsugi [at] nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください
支援を受けて
企業の業績が良ければ良いほど、内部留保が多ければ多いほど自社株式の評価が高くなり、事業承継時の税金負担がネックになります。敢えて評価を落とす経営操作をせずに負担軽減が可能であれば、多少の事務手続きや管理はやむを得ない所です。今回、専門家派遣による支援を受け、後継者との共通認識も図られ、事業承継税制利用の道筋が見える化されたことで経営に専念できるものと確信しております。
ご支援、ありがとうございました。
代表取締役社長 友野 広昭 氏
私たちにご相談ください