公益財団法人長野県産業振興機構

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コンソーシアム補助事業から青果物物流のDXへ

事業者名

千曲運輸株式会社

事業内容

一般貨物自動車運送事業/自動車運送事業/貨物自動車運送事業

事業者データ

活用した補助金・支援制度等

令和4年度コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業補助金

企業の現状及び支援の経緯

【千曲運輸株式会社】

運送会社においては、2024年にトラックドライバーの労働時間規制が始まることから効率的な物流の構築は喫緊の課題です。また、千曲運輸の主な事業である青果物輸送(関東・中京・関西を中心に幅広いエリア)においては、トラックの機能は2地点間の輸送を提供するに留まっており輸送機能を有効的に活用できていない状況です。そこでデジタル面からの視点で問題分析、解決に向けた取り組むため、コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業補助金を紹介し、申請のための事業計画立案など支援した結果、補助金採択となりました。

実施した支援内容

経営者が、デジタル面からの視点で改善に向けて取り組むビジョンを持っていたので、機構としての支援は、コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業補助金の採択条件である県内に拠点を持つベンダーの紹介やアドバイスを行いました。その結果、青果物物流における紙伝票をデジタル化し、かつ、各産地やドライバーなどの独立したデータをEDI(専用回線を利用して自動情報取引システム)を活用して、情報管理に一貫性を持たせ、位置情報、積載情報、温度情報を携帯端末(スマートフォン)にて把握できるようになりました。このことにより販売戦略に活用することが可能になってきました。さらには、商流におけるトレーサビリティ情報の提供等にも活用されることになりました。

支援の結果及び今後の展開等

当事業により構築されたシステムは、新しいハードウェア技術とソフトウェアを融合させることで、青果物物流を戦略的かつ、高品質のサービス事業へと転換させていき、生産者から消費者まで各ステークホルダーにとって有益な情報を提供し、持続可能な農業の実現に貢献することも可能となりました。今後は、産地から出荷される全ての青果物を高機能冷蔵倉庫に集約、鮮度を保持しながら保管し、翌日配送することで、計画的な出荷を実現し問題となっている積込における荷待ち時間をほぼ0に短縮させることが可能になるとともに、1市場1台のトラックでの配送が可能となります。現在の近隣産地で同一の市場に向かっていた状況が無くなり、市場に着車するトラックの台数を1/3に減少させることで、環境面、生産性の面で効率化を図るという目標を掲げています。

 

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 新産業創出支援本部 ITバレー推進部

〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[Tel] 026-217-1635 [Fax]026-226-8838
[Email] it-valley [at] nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

今回、炭平コンピューターシステム㈱の支援を受けて補助金をPoC(概念実証)として有効に活用できました。サプライチェーン上で新しい手法などの実現可能性を見出すために、目に見えるスマートフォンアプリを作って、協力者からの意見を聞いて、DX実現に向けた考えを整理できました。物流の2024年問題は、生産者、出荷者や市場と連携して対応する必要があり、個社が独自にDXを進めることでは解決できず、いかに業界全体で連携を行いながらDXを推進できるか考えていきたいと思います。

代表取締役社長 中嶋 剛登

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