公益財団法人長野県産業振興機構

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小規模水力発電の普及促進を目指した産学官連携の研究を開始

活用した補助金・支援制度等

令和5年度ゼロカーボン技術事業化促進事業

企業の現状及び支援の経緯

【小規模水力発電研究会のスキーム】

長野県ゼロカーボン戦略実現のため、長野県の地の利を生かした再生可能な地産地消エネルギーとして農業用水路などを利用した小規模水力(小水力、マイクロ水力等)発電の普及が期待されています。しかしながら発電効率向上等の技術的課題に加え、各種法規制や既得権への対応が複雑かつ困難であることから、未だ期待された普及には至っていません。そこでNICEでは、県内の専門知識や技術などを持つ研究者や関連企業、県関連部局とともに、小規模水力発電の普及促進のための「小規模水力発電研究会」を立ち上げました。産学官連携のもと、様々な技術的・社会的課題を情報共有することで課題解決の糸口を探ることを目的としています。現在、技術課題や法規制等に関する専門家の講演や意見交換、事業化のための現地視察等を行っています。
本研究会は、今まで製造業や発電事業者を中心に45社・団体のほか、信州大学工学部(長野市)、長野県環境部・企業局及び市町村等が参加をしています。

実施した支援内容

【須坂市で開催した見学会の様子】

第1回研究会(キックオフ)参加者53名

①講演:「小規模水力発電の研究開発事例」信州大学工学部機械システム工学科准教授 飯尾 昭一郎 氏

②話題提供:「長野県企業局・環境部の取組」長野県企業局電気事業課・長野県環境部環境政策課ゼロカーボン推進室

第2回研究会(見学会)参加者40名(2班)

~須坂市に設置している小規模水力発電所の見学~

①米子川第一発電所(200kW)【長野エネルギー開発】
②米子北の沢用水発電所(120kW)【藤巻建設】
③らせん水車(2kW)【新井製作所】
④塩野小水力発電所研究所(30kW)【新井製作所】

第3回研究会参 加者53名

①講演:「河川法の概要と最近の河川管理について」長野県建設部河川課

②講演:「水利権申請マニュアルの作成について」長野県企業局電気事業課

③話題提供3件:「米子小水力発電所の開業までの取り組みと県内企業が取り組み易くするための研究会への提言」「歴史的用水を活かした小水力発電による地域共生-SDGsと小水力発電-」「小規模水力発電と知的財産」

支援の結果及び今後の展開等

ものづくり企業以外からも多くの参加希望があり、小規模水力発電に関する事業や設備・機器等への関心の高さを知ることができました。目的が異なるそれぞれの企業が参加することによって、新たな連携と開発プロジェクトが生まれる予感がします。本研究会は県企業局、環境部、建設部等の各部局との協力も得られ、普及促進に係る行政側の課題や支援内容も知ることができます。また、既に発電事業を推進している企業からの苦労話など貴重な経験談を聞き、その後のディスカッションに有益な情報となっています。

今後も県の各部局との連携を密にした講演等を企画し、活発な意見交換・情報交換の場を提供してまいります。

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 グリーンイノベーション推進部

〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[Tel]026-217-1634 [Fax] 026-226-8838
[Email]green-innv[at]nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

◆参加者の声

・実際に小規模水力発電事業を行っていますが、他の事業者の申請時の課題や土地改良区、水利権者に対する働きかけの方法などの実話が聞け参考になりました。

・自社内流路での発電の可能性を見極められました。

・小規模水力発電の設備・機器の開発や新技術を持つ企業とのコラボができることに期待しています。

・異業種との交流や課題を共有する機会は大変ありがたい。既に他の参加企業との交流が始まりそうです。

 

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