公益財団法人長野県産業振興機構

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高効率モータ向け「アモルファス積層コア」の開発を補助金で支援

事業者名

株式会社小松精機工作所

事業内容

精密プレス部品一貫製造
各種精密機械部品製造
難削材の切削・研削加工

事業者データ

活用した補助金・支援制度等

ゼロカーボン技術事業化支援補助金

企業の現状及び支援の経緯

同社は、主に自動車のエンジン部品を製造する精密機械部品加工メーカーであり、特にステンレス系難削材の加工が得意で、超微細で高精度な製品をお客様に提供しています。現在、カーボンニュートラルの実現が急務となっていますが、同社もその実現に貢献するため、環境への配慮を重視し、新たな技術を開発しています。

一般的に使用されるモータのコア材(電磁鋼板)に比べ、アモルファスはエネルギー損失が1/10であり、高速回転時の損失上昇が大幅に抑えられることは知られています。しかしながら、アモルファスの製造は電磁鋼板の加工方法(打ち抜きプレス加工+積層)では作製が困難であり、これにより量産には不向きな加工法に制約され、モータのコア材として広まっていませんでした。そのため、同社はアモルファスの金型技術の開発に取り組んでいました。

※アモルファスとは、原子が規則正しく並んだ結晶とは異なり、原子が不規則に配列した非晶質構造のこと

実施した支援内容

【プレス打抜きしたティース形状】

同社は令和4年にアモルファスの打ち抜きに関する特許を取得しており、これにより独自の技術を有しています。

しかしながら、既存の積層技術ではモータのコア材料を複数枚積層して製造することが難しく、この課題に対処するため、アモルファスを用いたモータのコア製造方法について、ゼロカーボン技術事業化支援補助金を活用していただきました。

支援の結果及び今後の展開等

【積層分割コア(12ティース)】

補助金を活用して、研究開発した金型内でモータコア材料を積層する技術に関する特許を出願し、アモルファス積層コアの性能を実現するため、小型EVなどにも搭載可能な出力5kWクラスのアモルファス積層コアを使用したブラシレスDCモータを開発しました。

本モータは、大同大学(愛知県名古屋市)加納善明教授との共同研究により、アモルファス積層コアの性能を最大限に生かすモータ設計が行われ、(株)明和製作所(福岡県糸島市)などとの協力により、効率的な巻き線およびモータの組み上げが実現しました。

その結果、5kWクラスのモータでは世界最高レベルの95%のモータ効率を達成し、同等出力のモータに比べてモータ効率を5%~10%改善し、出力密度も1.2kW/kgに達しました。

今後、カーボンニュートラルの実現を達成し得る日本初のキラーコンテンツとするため、アモルファス積層コアを活用した次世代高性能モータの開発について、引き続き支援してまいります。

 

 

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 グリーンイノベーション推進部

〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL]026-217-1634 [FAX]026-226-8838
[Email]green-innv[at]nice-o.or.jp ※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

研究開発した技術が実証できたことで、取引先からの引き合いが増えました。

また、川下企業にサンプル提供を行ったことで事業化にも結び付きました。

今後も事業拡大を目指し、取組を進めてまいります。

専務取締役 小松 隆史

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