公益財団法人長野県産業振興機構

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「Dual Detector “IBUTSU”(AI異物検査機)」~スマート検出システムに向けて

事業者名

ハリコム株式会社

事業内容

金属検出機の製造販売業

事業者データ

  • 代表者/田中 菜穂子
  • 所在地/上田市下之条1761番地1
  • 従業員数/15名
  • 連絡先/0268-22-2927
  • URL/https://www.haricom.co.jp/

活用した補助金・支援制度等

コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業補助金

企業の現状及び支援の経緯

【異物検査現場 イメージ】

昭和43年に創業した金属検出機製造の老舗メーカーです。製品に混入する金属異物を原料の粉末やフレーク段階から検査が可能で、製造ラインに落ちた金属片が原因で起こる火災防止にも活用されています。ハリコムは“張込み”から名づけられ、国内・海外とも多くの企業に採用されています。HARICOM製品は、これからの日本の製造工場を“見守るITテクノロジー機器”として、データ取得・遠隔監視・機器の遠隔点検など、従来の金属検出機とは一線を画する最新機能を順次導入し差別化を図るなど、ITを積極導入しています。令和5年には大胆にインターフェースを改良したバージョンアップ機を開発しました。さらに新しいビジネスモデルで事業を行うための支援として、令和6年度コンソーシアム活用型ITビジネス創出支援事業補助金の募集開始を機に、産学官連携による具体的な支援を開始しました。

実施した支援内容

【開発システム イメージ】

デジタル化の進展に伴ってIT・AI技術の積極的な取組みを進めており、2021年には長野県の「AI-IoT等先端ツール活用DX推進事業」に採択されています。当時の開発により機器のデータ取得における見える化を推進し、遠隔地の機器をオンラインで保守・点検を可能にするなど、お客様の満足度アップや社内生産性向上に貢献しています。産学官の一貫支援として、代表者の希望である新技術分野、金属以外の異物検知を可能にするための「色画像認識プロジェクト」を発足し、検知部分においては、無線技術や回路設計にも理解の深い長野県工科短期大学校の中村正幸非常勤講師に参画いただき、具体的な支援サポートをお願いしました。また、上田センターのAI活用研究会で共に活動していた長野高専の力丸彩奈准教授には、色画像部分のAIプログラム開発にご参画いただくこととなりました。

支援の結果及び今後の展開等

【色識別センサー部分 イメージ】

ITの高度化により今後5年ほどで工場の設備環境は大きく変革していくと予想されます。そうした中、上田地域や関連業界との産学官金連携コンソーシアムが進めるAIプロジェクトとして、「スマート検出システム」の開発を目指します。このシステムは、お客様にさらに使いやすく、格段に生産性が上がる機器を提供し、生産現場の技術革新を支えるものです。今後も、支援機関と連携して支援してまいります。

参画機関

長野県工科短期大学校
国立高専機構 長野高専

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 上田センター

〒389-8555 上田市材木町1-2-6
[TEL]0268-23-6788  [FAX]0268-23-6673
[Email]nice-ueda[at]nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

弊社は57年にわたり無線技術を活用した検査に取り組んでまいりました。今後の発展にはAIの活用が不可欠であり、従来の無線技術に加えて、これまで困難であった色の概念を導入し、膨大な情報をAIで解析することで、革新的な検査結果を導き出すことを目指します。このプロジェクトの採択は、検査機の高度化と、お客様の製品製造への貢献、そして弊社の市場拡大につながると考えております。今後も真摯に事業を推進してまいります。

代表取締役社長 田中 菜穂子

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