
支援活用事例
「新たな金属積層造形技術研究会」を開催
活用した補助金・支援制度等
【事業報告】地域センター事業(研究会・セミナー)
企業の現状及び支援の経緯

これまでの産業を支えてきている中小の金属加工業は、高齢化やAIを活用した機械化により、高機能製品向けに要求されている超精密加工での熟練工の減少が進み、また、高温や危険等と隣り合わせの厳しい職場環境ということもあり、県内企業にとっても人手不足がより深刻化しつつあります。さらに、中国、欧米では、金属3Dプリンターでなければ実現できない高付加価値製品での事業化が進んでおり、日本のお家芸であった物づくりの優位性が危惧されています。このことから、この状況を打破するためには、金属3Dプリンターを活用した製品、技術開発を、より一層進めることが重要になります。
そこで、長野センターでは、「新たな金属積層造形技術研究会」において、長野県工業技術総合センターとともに、金属3Dプリンターを用いた利用分野の新規開拓や地域産業への導入を支援するため、支援機関でのアクティビティ紹介、最新動向の講演会、サンプル展示会による対象製品の紹介、講師との意見交換会を行っています。
実施した支援内容

令和6年8月2日(金)に、講演会、サンプル展示会、意見交換会を開催しました。
- 講演会 参加者42名
(1)支援機関アクティビティ紹介
演題:「金属AMに関する長野県工業技術総合センターの取組事例」
講師:長野県工業技術総合センター 金属材料部 安澤 真一 氏
演題:「新潟県工業技術総合研究所における金属堆積造形の取組」
講師:新潟県工業技術総合研究所 研究開発センター 須藤 貴裕 氏(2)講演
演題:「粉末冶金による高機能・高性能金属材料の実用化」
講師:兵庫県立大学 柳谷 彰彦 特任教授 - サンプル展示会 参加者26名
展示品は、兵庫県立大学から提供いただき、「金属加工・金型技術展
2024(インテックス大阪)」の出展サンプルを展示させていただきました。 - 意見交換会 参加者16名
支援の結果及び今後の展開等
令和6年度の「新たな金属積層造形技術研究会」では、長野県工業技術総合センター、信州AM研究会、公益財団法人さかきテクノセンターと共催し、長野県、新潟県からは、人工股関節ステムなどの医療系の造形品について具体的な活用事例を紹介いただき、兵庫県立大学の柳谷彰彦先生からは、造形物の品質を大きく左右する粉末冶金について講演いただきました。粉末の製造法を理解するとともに、粉末の機能や粒径が品質に大きく影響を及ぼすこと、何よりも材料知識が重要になることを認識されていました。サンプル展示会では、ゴルフパターに注目が集まり、手に取ってスウィングし、実用化のためのポイントを議論されていました。今後も、新事業に結び付けるべく、長野県工業技術センターと連携し講演会等を企画、開催し、情報交換の場を提供してまいります。
参画機関
長野県工業技術総合センター
信州AM研究会
公益財団法人さかきテクノセンター
担当部署
公益財団法人長野県産業振興機構 長野センター
〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[TEL] 026-225-6650 [FAX] 026-225-6711
[Email] nice-nagano [at] nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください
支援を受けて
◆参加者の声
・粉末の製造方法について詳しい話を聞いたことがなかったので、大変勉強になりました。
・材料、粉末を製造して目的とする機能を満足する材料、部品を造形するまでのプロセスを理解できました。
・金属3Dプリンターで造形した多種多様のサンプルを直接見ることができて参考になりました。今後も、サンプル展示に期待しています。
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