
支援活用事例
バイオマスプラスチックによる資源循環の試み
事業者名
上田プラスチック株式会社
事業内容
工業用プラスチック製品加工
事業者データ
- 代表者/代表取締役社長 飯島 洋一
- 所在地/上田市岩下229番地
- 従業員数/100名
- 連絡先/0268-35-0091
- URL/https://ueda-plastic.co.jp/
活用した補助金・支援制度等
令和5年度ゼロカーボン技術事業化促進事業
令和5年度ゼロカーボン技術事業化支援補助金
企業の現状及び支援の経緯

同社は、環境配慮型ものづくりへの技術開発の一環として、食物由来のバイオプラスチックや木材粉末などのバイオマスを複合した「バイオマスプラスチック」の利活用に関する研究を進めていた関係で、当機構主宰のサーキュラーエコノミーイノベーション研究会へ発足当初から中心メンバーとして参画してきました。2023年度には、ゼロカーボン技術事業化支援補助金を獲得して研究開発を加速しました。バイオマスの原材料には、根羽杉の間伐材、上田市公園の桜の剪定枝や放置竹林の竹、上小地区のクルミの廃棄殻等を用い、自社成形工場の廃棄プラスチック等とコンパウンドしました。試作金型は、あえて低付加価値な「うちわ」のプラスチック骨として、バイオマス複合材料の付加価値を測定するマーケティング調査用の試料としました。
実施した支援内容

諏訪圏工業メッセ(岡谷市)、Matching HUB Hokuriku(金沢市)等の展示会へ出展している当機構のブース内に、これらの試作品を展示しました。企業担当者が展示ブースに立ち合い、来場者にバイオマスプラスチック製うちわを実際に手に取ってもらい意識調査を行いました。400名を超えるアンケート結果から、積極的に購入したいとする回答が多く、大幅に付加価値の向上が認められました。これらの結果は、「バイオマスプラスチック製品における感性的付加価値」として、2024年9月に日本感性工学会大会の企画セッションにおいて発表しています。
支援の結果及び今後の展開等

地域のバイオマス素材を用いたバイオプラスチック製うちわは、地域イベントの主催団体が環境配慮の発信媒体として活用されることが期待されます。第1号案件として、2024年7月の上田わっしょい、8月の信州上田大花火大会で配布するうちわに採用されました。うちわの作成にあたり、同社が主体となりアリオ上田、上田市、上田商工会議所、上田わっしょい実行委員会、信州上田大花火大会実行委員会、上田女子短期大学の産学官が連携した事業となりました。またイベントに先立ち、アリオ上田において記者会見を行い製品のPRも行いました。
担当部署
公益財団法人長野県産業振興機構 グリーンイノベーション推進部
〒380-0928 長野市若里1-18-1(長野県工業技術総合センター3階)
[Tel]026-217-1634 [Fax] 026-226-8838
[Email]green-innv[at]nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください
支援を受けて
◆支援を受けて
2023年12月に「ものづくり産業からサーキュラーエコノミーを考えるシンポジウム in NAGANO」が開かれるなど、サーキュラーエコノミーへの取り組みの機運は県内でも高まりつつありますが、このような形で産・官・学が具体的に連携する取り組みは、県下でも初めての例となります。県内のサーキュラーエコノミーの取り組みを、上田地域からの発信で盛り上げていきたいと思っています。
開発課長 山﨑 辰也 氏
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