公益財団法人長野県産業振興機構

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「日本一のあんずの里」の杏仁で、本格的な「杏仁豆腐」を作りたい!

事業者名

森食品工業株式会社

事業内容

りんごプレザーブ・各種ピューレー・ジャム製造販売

事業者データ

活用した補助金・支援制度等

消費財国内販路開拓支援事業(おいしい信州ふーど発掘商談会)
消費財マーケティング力強化事業

企業の現状及び支援の経緯

同社では、過去に信州大学との共同研究で杏仁の解毒法の特許を取り、食品衛生法上の安全基準をクリアし、使用許可申請を試みましたが、薬機法上の見解が分かれてしまい、杏仁の活用を断念した経緯がありました。
また、約7年前に※1「グレーゾーン解消制度」について、当時の社長に提案しましたが手続きの煩雑さに難航し、進展がありませんでした。そのような中、同社において「おいしい信州ふーど発掘商談会in東京」で、原材料に※2「杏仁霜(きょうにんそう)」を使用した「杏仁豆腐」の出品がありました。そこで、担当者に「グレーゾーン解消制度」を活用すると「国産杏仁」を使用した本格的な「杏仁豆腐」を製造出来る可能性があることを説明し、支援を行うことになりました。

※1「グレーゾーン解消制度」とは産業競争力強化法に基づき、事業者が現行の規制が不明確な場合に、規制の適用の有無を確認できる制度

※2「杏仁霜(きょうにんそう)」とは杏子の種子の中にある「仁(じん)」をすり潰したもので、杏仁豆腐等に使われる原材料のこと。

実施した支援内容

早速、以前の提案内容を持参し説明したところ、直ちに「グレーゾーン解消制度」による、要望書の作成を開始しました。ポイントは、薬機法と食品衛生法の矛盾と合理性はどちらにあるか、そして、輸入手続きは食品衛生法の立場を採用しており、製造・販売上で一方的に不利益を被っていることを主張すること等のアドバイスを行いました。
同社では、直ちに経済産業大臣あてに「新たな規制の特例措置の整備に係る要望書」を提出しました。その後、経済産業省の担当者とのWeb会議を通じて、詳細な説明と訂正事項の指導を受け、経済産業大臣・厚生労働大臣の両大臣あてに要望書を再提出しました。

支援の結果及び今後の展開等

経済産業省担当者との打ち合わせでは、要望書を受け入れる方向なので、 両大臣宛てに要望書を再提出するようにとの指示がありました。これにより要望書の 最終回答が届き次第、杏仁の製造を開始し、「日本一 のあんずの里」 の杏仁を使用した「杏仁豆腐」 の製造・販売にこぎつける目途が立ちました。
同社の取得している 特許を活用し、杏仁の毒性を低減した新商品の開発は、日本初の本格的な「杏仁豆腐」となり、同社の「森杏庵」ブランドの「しそ巻あんず」や「信州あんず ・ 乾」と共 に、「日本一のあんずの里」のプレミアム商品として、品揃えを充実させることで、販路拡大に弾みがつくと思われます。

担当部署

公益財団法人長野県産業振興機構 マーケティング支援部

〒380-8570 長野市南長野幅下692-2(長野県庁5階 長野県営業本部)
[TEL] 026-235-7246 [FAX] 026-235-7387
[Email] hanro [at] nice-o.or.jp
※[at]は@に置き換えてください

支援を受けて

申請内容は専門的な知識が必要で、ある程度のハードルはあるものの、経済産業省のサポートもあり、前に進む印象があります。省庁を横断して判断をする仕組みは今まで無いという認識でしたので、時代が変化したなと感じております。
おいしい信州ふーど発掘商談会の際のコーディネーターのアドバイスが、きっかけになり感謝しています。

企画開発課 課長 山川 満

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